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自宅で受講して、あとから録画で復習もできる!
zoomを使ったオンライン講座です。





ハワイアンソング(メレ)を読みながら、
そこに表現されているハワイ語の世界観を味わうレクチャーです。


・メレが作られた時代背景、作者の紹介からハワイ語文法の解説まで、盛りだくさんの内容でお届けします。
・各回完結ですが、続けて受講することで、ハワイ語の知識を積み上げることができます。
・レクチャー終了後、zoom講座の録画を期間限定でご覧いただけます(おおむね1カ月程度)。
・ zoom参加なしの録画のみ受講も歓迎します(PDF教材付き)。
・会場でのリアル受講も可能です。


第10回 『Lā'ieikawai』(by Frank Kawaikapuokalani Hewitt)
開催日時:10月11日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円(PDF教材付き)

第11回 『Hōpoe』(by Frank Kawaikapuokalani Hewitt)
開催日時:10月25日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円(PDF教材付き)

第12回 『Ka Lehua I Milia』(Mary Kawena Pukui&Maddy Lam)
開催日時:11月8日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円(PDF教材付き)

第13回 『Nani Kaua'i』(Lizzie 'Alohikea)
開催日時:11月22日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円(PDF教材付き)

第14回 課題曲未定
開催日時:12月6日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円(PDF教材付き)

お申し込み方法

[Zoomによるオンライン受講] 

●はじめてご参加のかた

メールにてお申し込みください。
メール宛先:hiroesogo@gmail.com

各回とも、お申し込みのメールをいただきしだい、折り返し、参加費の振り込み先(銀行口座)をお知らせします。
タイトルに「zoom講座申し込み」とご明記のうえ、受講希望日をお書き添えください。
※必ずご入金時の確認ができるお名前をお知らせください。
※複数回ご参加の場合は、まとめてお振り込みいただいても結構です。

ご入金確認後、教材(PDF)とzoom参加のためのURLをお伝えします。なお、お振り込みは、できるだけ各講座開催日の3日前までにお願いします。


●2回目以降ご参加のかた

受講費のお振り込み後、参加希望日をメールにてお知らせください。 メール宛先:hiroesogo@gmail.com

※複数回ご参加いただける場合は、まとめてお振り込みいただいても結構です。
ご入金確認後、教材(PDF)とzoom参加のためのURLをお伝えします。なお、お振り込みは、できるだけ各講座開催日の3日前までにお願いします。


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会場:リーブル新大阪 https://www.instabase.jp/space/6508676976
 ※JR新大阪東口から徒歩1分、わかりやすい会場です。コーヒーなど飲み物付き。



以下の終了講座についても、録画をご覧頂くことができます(1講座2000円、PDF教材付き)。

第1回 『Pua Līlīlehua』(by Mary Kawena Puku‘i & Kahauanu Lake)
第2回 『Tuahine』(by Barry Flanagan)
第3回 『Kaleohano』(by Louis Moon Kauakahi)
第4回 『Lei Ana‘O Mānoa I Ka Nani O Nā Pua』(by Frank Kawaikapuokalani Hewitt)
第5回 『E Wai'anae』(Pandanus Club)
第6回 『Aloha Nō』(Lena Machad)
第7回 『Pua ‘Āhihi』(Mary Kawena Pukui&Maddy Lam)
第8回 『Pōhai Ke Aloha』(Lena Machad)
第9回 『Queen's Jubilee』(by Queen Liliuokalani)

月2回のペースで開催予定です。お問い合わせはお気軽に。

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ハワイ語のはなし212(2020年8月配信)
まずはここから!フラダンサーのためのハワイ語



 YouTubeでハワイ語のミニ講座をスタートして半年余り。「メレを読むための」という切り口ではじめてみてあらためて思うのは、これを知っとくとパフォーマンスが断然よくなる!という、フラダンサーのためのハワイ語のツボみたいなものがあるということ。今回は、YouTubeでお話ししてきたことをベースに、フラに生かせるとっておきのハワイ語エッセンスをお届けしたいと思います。


●省略が多いメレのハワイ語

 まず、メレのハワイ語の特徴として挙げておきたいのが、教科書的な文章に比べると、省略されている部分がかなりあるということ。メレのハワイ語が美しくリズミカルなのはそのためですが、語られているストーリーをしっかりとらえるためには、ある程度、省かれている部分を補いながら読む必要があります。たとえば、「Auhea wale ana ʻoe」(聞いてください)ではじまるメレは、この宣言でもって「あなた」(ʻoe)に呼びかけている私の存在が示されています。つまり、「私」という意味合いのない「Auhea」に続くフレーズが「私」を暗示しているので、あとに続く歌詞に、主語である「au」(私)が必要なかったりするわけですね。「E hoʻi mai」(こちらへいらっしゃい)といったフレーズでも、手招きするように誘う「au」(私)の存在が、話し手に向かう方向をあらわす「mai」で示されています。「(ここに)ある」と訳される「eia」あたりも、その場所にいる語り手を強く感じさせることば。なんだかよそよそしいフラにならないためにも、「mai」や「eia」に「au」(私)が含まれていることを感じながら踊ることは、案外大切ではないかと思われます。


●強調したいことを印す「ʻo」 

 こんなふうに、メレではあえて語られなかったりする「au」(私)ですが、逆に「au」が登場するときは、あらためて私を強調したい場合だということになります。このとき、「ʻo au」と強調の印「ʻo」が一緒に使われることが多いことも、ぜひ覚えておきましょう。この「ʻo」については「主格マーカー」(主語の印)と説明されることもありますが、主語かどうかを決めるのはあくまでも文中における位置なので、「ʻo」ときたらまずはそこにスポットがあたっていることを意識する必要があります。たとえば、「ʻo ʻoe, he pua i ako ʻia」(『He Uʻi』)なんかも、「あなたは積まれた花です」ではなく、「あなたといえば、そう、摘まれた花なんですよ」みたいに訳したほうが、ハワイ語そのもののニュアンスに近くなります。微妙な違いですが、フラの表現力を左右するという意味では、見過ごせないところかなと思います。


●冠詞の使い分けは、ストーリー展開を知るなによりの手がかり

 ハワイ語の名詞には定冠詞「ka/ke」もしくは不定冠詞「he」が付く……ハワイ語学習者がまず記憶する文法事項ですが、メレを読むときにぜひ意識していただきたいのが両者の使い分け。このあたりがわかってくると、ストーリー展開や語り手の気持ちの起伏がたどれたりするので、ダンサーにとっては、なによりメレの世界に入り込む手がかりになります。
 まず押さえておきたいのは、不定冠詞「he」が説明文を導くことばであること。たとえば、「he pua kēia」(これは花です)みたいな仕方で、あるものの属性をあらわすのが「he」。一方、「Makemake au i ka pua」(私は花がほしい)といったフレーズでは、「he」ではなく定冠詞「ka」が使われます。手に入れたい対象は具体的に存在するはずなので、その輪郭をはっきりさせてくれるのが定冠詞であるともいえます。なので、目の前にいる「花(のようなひと)」に呼びかけるときは「e ka pua」、「あなたは美しい花のようなひとだ」とたとえるときは「he pua nani ʻoe」となります。
 冠詞に注目してみると、メレによって「he」と「ka/ke」がバランスよく配置されているものもあれば、どちらかが極端に多かったり少なかったりといった違いがあることがわかります。「He」が説明文を導くということは、そこにいわば聴き手と語り手の対話があるともいえますが、それがまったくないメレでは、場合によっては、語り手が勢いよくしゃべり続けているような雰囲気になったりもします。そう考えると、積極的に訳されることのない冠詞にも、メレを解釈する手がかりがあるといえそうですが、まずは「he」のところに、対象をあらためて説明しようとする語り手の意図を感じていただけたらと思います。


●述語は前、説明はうしろから

 メレに出てくる単語の意味を調べるのは、なんといってもメレを解釈するための第一歩ですが、連なりとしてハワイ語をとらえるときに重要になるのは、なんといってもハワイ語の語順ルール。文法をいちから勉強するにこしたことはありませんが、「述語は前、説明はうしろから」を意識するだけでも、かなり読解の助けになります。もうひとつ覚えておきたいのが、説明のフレーズを導く「i」の使い方。 大きく分けると「i ka/ke」のあとに名詞が続く場合と、「i」のあとに動詞がくる(つまり冠詞がない)場合がありますが、いずれも前の単語あるいはフレーズを説明していることにかわりはありません。
 そして、勉強を続けるためにも大切かなと思うのは、どうにも意味がみえてこないときは、いさぎよくあきらめるのもありだということ。文法の理解が足りなかったり、想像力が追いついてなかったりとわからない原因はさまざまですが、好きなメレこそ長いスパンでつきあってほしいと思うからです。いや、それでもいま知りたい!というかたには、隙間のりりーのハワイ語講座をおすすめしたいところ(笑)。。。ご参加お待ちしております。


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ハワイ語のはなし211(2020年7月配信)
フラの歴史



 フラといえば、セレモニーや奉納の意味合いがある「古い」(kahiko)タイプの「hula kahiko」と、これに対して「現代フラ」と呼ばれることもある「hula ‘auana」に分けて語られるのが一般的。もっとも、「hula ‘auana」の「‘auana」は「道に迷う」「渡り歩く」といった意味合いのことばで、「kahiko」と「‘auana」でもって単純に新旧を区別しているわけではなさそうです。そんなことをあらためて考えたりしながら、にわかにフラの歴史が気になり始めたのですが、今回はフラを歴史的に考察した文献をもとに、古代から現代にいたるまでのフラの変遷を、ざっくりたどってみたいと思います。


●否定からはじまった「フラの歴史」

 参照したのは、『Hula-historical perspectives』(Mary Kawena Pukuiほか、1980年、以下『Hula』)というフラの研究書。18世紀末から200年あまりのフラの歴史がたどられており、ハワイにおけるフラの位置づけについて、さまざまな角度から言及されているのですが、その冒頭に、歴史書らしからぬ次のようなことが書かれていたりします。

 「1778年以前のフラの歴史を知ることは不可能である」

 えぇ?って感じですが、1778年といえば、ハワイの島々を発見したとも語られる英国人、キャプテンクックがKaua‘i島にやってきた年。そう、書き文字を持たなかったハワイ文化は、フラに限らず、外国人の目に触れるまで記録として残されることはなかったんですね。言い換えると、船乗りたちの見聞録として始まったようなところがある「フラの歴史」でもあるわけですが、『Hula』によると、現在、儀式的なフラとして残っているhula kahiko(古典フラ)さえ、必ずしも当時のフラを継承しているわけではなく、19世紀末にかろうじて現存した、フラのトレーニングに由来するようです。というのも、米国から宣教師たちがやってきた1820年を境に、フラ受難の時代がはじまったためなんですね。セレモニーとしてだけでなく、ハワイのひとびとにとってはエンターテイメントでもあったとされるフラは、米国からやってくるようになった宣教師たちによって、みだらな異教徒の風習として、徹底的に否定されることになります。
 1830年には、キリスト教に傾倒するようになっていたKa‘ahumanu(1825年に洗礼)*が公の場でのフラパフォーマンスを禁止。1832年に彼女がなくなり、Kauikeaouli(Kamehameha三世)のもとで、いっときフラも含めたハワイ文化を認めようとする動きがあったものの、もはや王でさえ宣教師たちに逆らうことはできなくなっていたとされます。宣教師たちがしだいに政治的な力を持つようになっていたためですが、その背景には、太平洋の島々が、のきなみ植民地化されていったという当時の時代状況がありました。諸外国からの政治的圧力に屈することなく、なんとしても国家としての主権を維持しなければならない………。そんな切羽詰まった状況にあって、欧米流の社会体制を整えることから外交までを引き受け、政治的なアドバイザー役を担うようになっていたのが、布教のためにハワイにやってきた宣教師たちだったというわけです**。


●Kala*kaua王が仕掛けたハワイ文化復興のプロジェクト

 こうして、19世紀半ばには公的な場から姿を消すことになったフラですが、ハワイのひとびとの思いからフラが消滅したのではもちろんなく、フラを学び伝えようとするひとたちにとっては、息をひそめるような時代が長く続くことになります***。そんな沈黙の時代のさなかに、フラの大々的なパフォーマンスを行ったのがKala*kaua王(1836-1891、在位は1874-1891)でした。1883年の戴冠式に続き、1886年に彼のjubilee(50歳を祝う式典)のレセプションで数日間にわたり披露されたフラは、参照すべき文化遺産として、後にフラマスターたちの手で受け継がれていくことになります。そんな事情から、現存するフラのベースになっているものの多くがこの時代のフラだったりするのですが、『Hula』にはこのときリバイバルした古典フラのなかに、貴重な19世紀はじめのフラも含まれると記されています****。
 こんなふうに、20世紀に続くフラ復興の足掛かりを作ったともいえるKala*kaua王なのですが、彼自身にとっては、この二度にわたるプロジェクトが命取りになった側面もあったりします。というのも、彼自身が王朝のルーツである伝統に回帰しようとする傾向にあることを、はからずも決定的に印象付けることになってしまったからです。その結果、宣教師をはじめとする合衆国併合派によって、「無能な王」というレッテルをはられてしまうKala*kaua王なのですが、このことが、彼がほどなくBayonet Constitution(銃剣憲法、1887年制定)によって実質的な政治権力を失う引き金になったことを思うと、フラをめぐる歴史のひとこまというには、あまりに大きすぎる事件だったと思わずにはいられません。


●観光の島ハワイと運命をともにしたフラ

 Kala*kaua王によって復活したフラですが、その後のハワイ王朝転覆の時代を経てハワイが合衆国に併合されると、再び公的な場で披露されるフラは廃れていくことになります。20世紀のはじめに、少ないながらもフラをエンターテイメントとして復活させようとする試みはあったものの、「無邪気(天真爛漫)」「みだらなもの」というレッテルのもと、フラが価値あるものとして社会的に認められるにはほど遠い時代が続きます。
 皮肉なのは、欧米的価値観のもとで劣ったものとされてきたフラが、合衆国併合を期に、観光資源として脚光を浴びるようになったこと。「神話と伝説の島、ハワイ」を売り出すべく、ハワイのひとびとが語り継いできた民話が活字となり、読み物として流通するようになるのも、ちょうどこの頃だったりします。
 こうして、観客の好みにあわせて歌も踊りもかえられ、まずはショーアップすることが重視されるようになったフラが、20世紀半ばにかけて花開くことになります。リズム楽器だけでパフォーマンスされる古典とは別物のフラ、西洋の音階にあわせて踊る「hula ‘auana」のルーツは、この流れのなかにあるわけですね。時代的には新しい「hula ‘auana」。ですが、その誕生の経緯をたどってみると、単に新しいといったのでは語れないものであることがみえてきます。フラの原形ともいえる「hula kahiko」が、ハワイの大地に根を張ることをやめ、根無し草的に時代に迎合していったのが「hula ‘auana」……「放浪する」とも訳される「‘auana」が用いられるのは、そういう含みあってのことなのかもしれません。もちろん、伝統からとき放たれたフラが、その新たな可能性を開花させたのが「hula ‘auana」であるという側面もあるわけですが、その表現が、ハワイのネイティブによるネイティブのためのものであるかどうか?という視点を欠いたまま、フラの歴史を語ることはできないのではないか……なんてことを思ったりします。


●それでもハワイ語で歌い継がれてきたことの意味 

 『Hula』には、筆者たちにとってリアルだったフラをめぐる状況について、辛口の批評がなされています。たとえば、観光客向けのフラについては「歌詞がせいぜい伝統的なパターン(kaona、複数の意味を重ね合わせる修辞)に従っているくらいで、最悪の場合はつまらないラブソングになってしまっている。ハワイ語の歌詞に少なからぬ英語が含まれていることが多かったりするのは、ほとんどの聴衆がハワイ語を理解しないためであり、そう考えると、そもそもダンサーは歌詞に合わせて踊る必要もないわけで、そうすると、しだいに歌はダンサーの動きの付属物でしかなくなってしまう。これでは、歌と動きでもって作り上げられる、フラ表現の大事なところが失われているといわざるをえないだろう」(筆者抄訳)。
 このくだりのあと、1970年代以降のフラの潮流が、「ハワイアンルネッサンス」(ネイティブのアイデンティティのもとで展開されるようになった社会的ムーブメント)とともに言及され、現代のクムフラたちによって、ハワイのひとびと自身のためのフラが、本当の意味でリバイバルしつつあることが語られています。「いま」を生きるクムフラたちの手で、フラの伝統に命が吹き込まれるようになったわけですね。このことを肯定的にとらえる一方で、新たに創造していこうとする彼らの取り組みについては、「ときに度を過ぎた見せ物的なものに終始する結果にもなっている」といった具合に、かなり厳しい目で分析されてもいます。創造には破壊がつきものですが、どう変えていくか、いわばどのように新たな道を見出すかという、「‘auanaの品格」こそが問題であるともいえるでしょうか……。そういえば、ハワイの大地を生み出したのは、火の女神Peleの破壊と創造力なんだよなぁなんてことに思い至ったりもしながら、大地に根ざした表現がハワイ語でなければならない意味を、いまさらながらに考え始めています。


*:Ka‘ahumanu(1768-1832)は、Kamehameha一世が最も寵愛したとされる王妃。Kamehameha一世亡き後、幼くして王位に就いたKamehameha二世、三世に代わり、Kuhinanui(摂政的な立場)として政治的権力を発揮した。
**:欧米諸国からその存続をおびやかされていたハワイ王朝は、英国から理不尽な圧力を受けて、あやうく植民地化されかねない危機に陥ったことがありました(1843年)。このとき、交渉役として外交的な力を発揮したのが宣教師たちで、彼らの影響力は、その後、二世、三世へと引き継がれていくことになります。ニュージーランドが英国領になったのが1840年、続いて1842年にフランスがマルケサスを武力で占領し、タヒチもその後フランスの保護領に(1880年併合)、1853年にはニューカレドニアも併合されて……といった状況を考え合わせると、当時のハワイがあやういところにあったことも想像に難くありません。
***:フラを学ぶひとたちを非難する宣教師たちの投稿が新聞に掲載されるような時代が続いたものの、フラが法律で取り締まりの対象になるような状況ではなかったようです。
****:Kala*kauaの時代にフラを記録したのが、ハワイに渡った宣教師の二世であるNathaniel B. Emerson(1839-1915)による『The Unwritten Literature of Hawaii: The Sacred Songs of the Hula』。1909年に刊行されると、たちまち権威のあるスタンダードとして重宝されるようになった文献です。EmersonはKala*kauaの時代に集めた情報をもとに、ダンスや楽器、フラのトレーニングや衣装について具体的に記述しており、今日のフラマスターたちにとっても貴重な情報源。ただし、すべての記述が正しいわけではなく、『Hula-historical perspectives』では、以下のくだりは誤りであろうと指摘しています。「フラは宗教的なサービスであり、古代のハワイ人は個人的に非公式な仕方で、自分たち自身の楽しみのために踊りにふけることはなく……トレーニングされたひとによる、報酬のある行いだった」(pp.11-13)。


参考文献
1)Dorothy BB, Pukui MK, Kelly M: Hula-historical perspective(Pacific Anthropological Records No. 30). Honolulu, Dept. of Anthropology, Bernice P. Bishop Museum, 1980, pp1-2
2)Emerson NB: Unwritten Literature of Hawai‘i-the sacred songs of the hula. Honolulu, Mutual Publishing, 1998
3)Kame‘eleihiwa L: Native Land and Foreign Desires-Pehea La* E Pono Ai? Honolulu, Bishop Museum Press, 1992, pp184-185
4)Osorio JK: Dismembering lahui-a history of the Hawaiian nation to 1887. Honolulu, University of Hawaii Press, 2002, pp193-205
5)Bacchilega C: Legendary Hawai'i and the Politics of Place-Tradition, Translation, and Tourism. Pennsylvania, University of Pennsylvania Press, 2013

 
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ハワイ語のはなし210(2020年6月配信)
メレのハワイ語を訳すコツ


 個々の単語の意味がわかっても、いざ日本語にしようとすると、なかなかぴったりくる訳語がみつからなかったりするメレ(歌)のハワイ語。言語としてのハワイ語のむずかしさだけでなく、歌詞ならではのアプローチが求められるからではないかと思うのですが、今回はそんなメレのハワイ語を訳すコツを、隙間のりりーの「ハワイ語ミニ講座」風にまとめてみたいと思います。取り上げるのは、『Ka Uluwehi O Ke Kai』の冒頭部分。作者Edith Kanaka'oleの語りや、彼女が目にしたであろう空間の広がりを想像しながら、こんなふうに訳してみました。

He ho'oheno ke 'ike aku
すてきな眺めよね。

Ke kai moana nui la*
沖に向けて広がるこの開放感。

Nui ke aloha e hi'ipoi nei
(この海は)たくさん愛を育んでいるのよ。

Me ke 'ala o ka li*poa
(その証拠に)li*poaの香りがするでしょう。

 歌詞そのものに含まれないことばを補った部分を( )に入れましたが、基本的にはハワイ語と日本語との橋渡しをすべく訳語をあてています。しっくりくることばを探しつつ行間を行ったり来たりしながら、ことばを補うことでメレの語りを風景として思い描いてみる……そんな地道な作業ですが、そうやってメレと向き合う時間のなかに、ダンサーやミュージシャンとしてパフォーマンスするのとは別の楽しさがあるんですね。そのあたりを、メレのフレーズをたどりながらお伝えできたらと思います。


●物語のはじまりを印す「he」

He ho'oheno ke 'ike aku
すてきな眺めよね。

 いきなり「すてきな眺めよね」はないだろう(!?)という気もしますが、こんなふうに物語の冒頭に登場することが多かったりすることばが、不定冠詞「he」。「不定(冠詞)」という名が示す通り、語りの対象がまだ輪郭をもってあらわれていない、あるいはこれから輪郭を与えようとするときの冠詞が「he」であるともいえます。たとえば、次のようなやりとりで用いられる「he」が、まさになにかが「あるもの」として登場する瞬間ですね。
 
 1)He aha ke*ia? これはなんですか?
 
 2)He ho'oheno(mea ia). (それは)愛すべきものですよ。
 
 こんなふうに、「he」ではじまることばは、それを導く「問い」とセットで考えると、物語の文脈がとらえやすくなります。たとえばこの『Ka Uluwehi O Ke Kai』の冒頭部分だと、「(作者である)私がながめているものは何か?というと」みたいな問いに対する応答が、「he ho'oheno」(愛すべきもの)であるというわけです。
 メレの歌詞では、いわなくてもわかることは省略されることが多いですが、そこを補ってみたのが2)になります。文法的には「he ho'oheno (mea)」が述語、「ia」が主語。そして、このときの「mea」は漠然と「もの・こと」を、「ia」は前述の問いでフォーカスがあたっているなにかを「それ」とさすことば。このあたりを補うことがメレを語りとしてとらえる手がかりになるので、結構、大切なところだと思います。


●視界の拡がりを感じさせる「aku」と「la*」

Ke kai moana nui la*
沖に向けて広がるこの開放感。

 「沖に向けて広がるこの開放感」なんて、かなり自由に訳していますが、このたった数行のなかに、空間のひろがりをたっぷり感じさせることばが含まれているあたりを、ギュッと凝縮してみた訳語です。
 細かくみていくと、視線が遠いところに向かっていることをあらわすのが、「ke 'ike aku」(見ると/見るときには)の「aku」です。これが「ke 'ike mai」だと、対象にフォーカスがあたっている、あるいは身近に感じていることがわかる……そんな使い分けがあります。文法的に「方向詞」と呼ばれる「aku」と「mai」ですが、物理的な動きの方向だけでなく、まなざしを投げかけるひとの意識が表現されたりもするんですね*。
 そんな語り手の視線の先にあるのが「ke kai moana nui」。外海に続く空間のひろがりを感じさせる「ke kai moana」に「nui」(大きい)が続き、「la*」のところでより広く、もっと遠く……と、はてしなさを含むことばが連なっています。それ自身を訳しにくい「la*」ですが、「ke*la*」(あれ)、「pe*la*」(そのように)、「i laila」(そこに)といったことばに含まれるのが「la*」で、空間的な遠くから心理的な距離、驚きからときに疑いの気持ちまでをあらわします。歌詞に引き寄せて考えると、大海原を見晴らしながらわき上がってきた思いのままに、ふと口をついて出たことばが「la*」だったりするかもしれません。


●自然の恵みを語る「nui」

 こんなふうに、1行目、2行目で徹底的に空間の広がりが語られたあと、少し視点が変わるのが3行目です。

Nui ke aloha e hi'ipoi nei
(この海は)たくさん愛を育んでいるのよ。

 ここで注意したいのは、「ke kai moana nui」(大きな海)では「大きい」と訳された「nui」が、後ろに続くのではなく文頭にあること。そう、説明は「うしろから」、述語は「前」。というわけで、この「nui」は「大きい〇〇」と形容することばではなく、「状態動詞」と考えられます。なので「大きい状態である」と訳してもいいのですが、主語が「ke aloha」なので、「nui」のもう一つの訳語、「たくさんある」のほうが自然かなと思われます。
 もう一つのポイントは、「aloha」と「hi'ipoi」の訳し分け。「hi'ipoi」を「cherish」(愛情を込める)とだけイメージしてしまうと、「愛おしい愛」みたいなよくわからない訳語になってしまう……。というわけで、ここはぜひとも「hi'ipoi」の意味合いを、「食事を与える」「子どものようにかわいがる」あたりまで広げて理解しておきたいところ。そうすると、海には「育む愛がある」というところから「海藻が育つ場所」につながり、「(その証拠に)li*poaの香りがするでしょう」(me ke 'ala o ka li*poa」)と展開するわけです。

 かなり細かくみてきましたが、もっと踏み込んで語り手の息づかいを感じるためには、さらにいろんな角度からメレにアプローチする必要があります。たとえば、生まれ育ったふるさとの風景をいとおしく眺める作者の世界観とか、そもそもKeaukahaは歴史的にどんな場所で、どんな暮らしが営まれてきたまちなのか……なんてことをあれこれ考え始めると興味は尽きませんが、「メレで学ぶハワイ語講座」は、そのあたりを一曲まるごと、90分でお届けするレクチャーです。多くのご参加、お待ちしております。

*:語り手から離れていく方向が「aku」、語り手に向かってくる方向が「mai」であらわされます。

※オキナ(声門閉鎖音)は「‘」、カハコー(長音記号)は伸ばす音の後ろに「*」をつけています。ハワイ語は、とりあえずローマ字読みすることが可能です。


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第3回 『Kaleohano』(by Louis Moon Kauakahi)
開催日時:6月28日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円

第4回 『Lei Ana‘O Ma*noa I Ka Nani O Na* Pua』(by Frank Kawaikapuokalani Hewitt)
開催日時:7月12日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円

第5回 課題曲 未定
開催日時:7月26日(日)、14時から15時30分(90分)
受講費:2000円



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[会場でのリアル受講の方] 

メールにてお申し込みください。 宛先:hiroesogo@gmail.com
受講費は、参加当日にお支払いください(要予約、お席に限りがありますので、ご連絡はお早めに)。
※Zoom録画付き。
会場:リーブル新大阪 https://www.instabase.jp/space/6508676976
 ※JR新大阪東口から徒歩1分、わかりやすい会場です。コーヒーなど飲み物付き。



以下の終了講座についても、録画をご覧頂くことができます(1講座2000円)。

第1回 『Pua Lililehua』(by Mary Kawena Puku‘i & Kahauanu Lake)
第2回 『Tuahine』(by Barry Flanagan)


 リクエスト募集中。当面、月2回のペースで開催予定です。お問い合わせはお気軽にどうぞ。