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Noho Paipai






https://www.youtube.com/watch?v=6tuzDSNOO6E


 なんだかひとり、さびしいなぁって感じでまるくなってたんだ。
 そう、かわい子ちゃんのイメージを思い浮かべながら。

 Pupue iho au i mehana
 Hone ana o uese i ku‘u poli

 (朝)、起きるときには、(頭のなかを)こんなことばがこだましてたよ。
 「いとしいひとはいまどこに?」ってね。

 Me he ala no* e ‘i* mai ana
 ‘Auhea ku’u lei rose lani?

 ベッドのなかで丸くなって(pupue iho)、なんか物足りないよなぁって感じでひとり眠れぬ夜をもてあましている……みたいな、ちょっとなさけない誰かの姿が目に浮かぶ『Noho Paipai』。ひとり寝の孤独なこころを温めてくれる(mehana)であろうまだ見ぬひとを、あれこれと思いめぐらせていたのでしょうか。夜が明けるころにはすっかりひと恋しくて、「いったい恋人って、どこに行ったら見つかるんだろ?」(‘auhea ku’u lei rose lani?)みたいなむなしい問いかけが、頭のなかをぐるぐる回っていたようです。
そんな、なんとも満たされない思いの行方は、次のバース以降、さらにユーモラスに語られていきます。

 きみもぼくも知らないもの同士
 だけど、こうやってキスなんかしちゃったら、もう知り合い同然だよね

 Malihini ‘oe, malihini au
 Ma ka ihu ka*ua kama‘a*ina

 そう、どんなカップルだって、最初はまったく知らないもの同士。それがひょんなことから、あるいはえいや!って感じで急接近。そうして頬を近づけるくらいの仲になったら(ma ka ihu ka*ua)、めでたく「お知り合い」(kama‘a*ina)なわけですが、現実には、そんなにうまくことが運ぶことはないようでして……。

 きみがもし、ぼくと一緒にいたら、
 しっかりロッキングチェアーでゆらゆらするんだけどな……。

 Ina* ‘o you me a’u
 Kau pono i ka noho paipai

 「二人でいたら」という願いはともかく、いきなりロッキングチェアー(noho paipai)にきちんと座りたい(kau pono)なんて、どういうこと(!?)って感じのこのバース。ですがここでは、ハワイ語の世界でゆらりゆらりを繰り返す動作が、愛し合う二人の愛の営みだったりすることを考え合わせる必要がありそうです。そう、この唐突な表現は、だれかの妄想がいよいよクライマックスに差し掛かっていることを物語るものなんですね。でも、まぁ思い通りにいかないのが世の常でして……。このバースの後半が、「誰かがぼくのロッキングチェアーに座ってる!」と歌われたりすることからも、そのあたりの事情をうかがうことができそうです。

 なんだかパッとしないぼくの気分をわかってくれた?
 そう、ずっとかわい子ちゃんのイメージを思い浮かべてるんだ。

 Ha’ina ‘ia mai ka puana
 Hone ana o uese i ku’u poli
 
 いつかやってくる至福のときを夢見て、ひとりさびしい夜をやり過ごしている……そんな歌詞の内容をたどるにつけ、この歌の駆け抜けるような勢いと軽やかさが、なんだか場違いに思えるところもあります。それでも、『他人の不幸は~』的な屈折したものよりも、なぜか恋愛ベタな誰かさんへの応援歌のようなまなざしを感じてしまう、底抜けの明るさにみちた『Noho Paipai』なのでした。

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「Meleで学ぶハワイ語講座」のご案内です。

会場:たかうち珈琲(新大阪)
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270301/27001979/dtlmap/


*初級編*

基本的なハワイ語の知識をまなんで、ハワイ語のmeleを読むコツを探ります。

日時:11月9日(金)、19時開始(21時まで)。
参加費:1000円(資料代含む)
※飲み物などのお店へのオーダーは、各自お願いします。

おもな内容:①基本的な文型、②動詞マーカー、③読んでみよう!(『Ka Lehua I Milia』『Ma*pu Mau Ke 'Ala』)
定員:8人


*中級編*

今月はお休みです。


〈お申し込み方法〉

メールにて受け付けます。hiroesogo@gmail.com

・定員になり次第締め切ります。お申込みはお早めに。
・お申込みの際は希望日(コース名)をお知らせください。


ご参加お待ちしております。


「大好きなメレの意味をちゃんと知りたい」
「ホイケまでに基本的なところを押さえておきたい」
といった、個人のご要望にも可能な限りお応えします。気軽にご相談ください。

Maunaloa






https://www.youtube.com/watch?v=aGiUDPnsPdI


 どこへいったの、Maunaloa号
 あの船の大きな後ろ姿(を思い出す)
 私のあのひとを連れ戻してよ。
 どうかお願い……(私がいる)このKa’awaloaまで。

 ‘Auhea wale ‘oe e Maunaloa la*
 Ki*kala nui
 Ho’iho’i mai ‘oe i ku’u aloha la*
 E*, e*, e*, Ka’awaloa nei

 いまにも旅立とうとする船を岸壁で見送りながら、その船尾(ki*kala)にしがみつかんばかりの勢いで手を振る女……そんな、港町で繰り返されてきたであろうお決まりのドラマが、自ずと目に浮かぶ『Maunaloa』。「(あのひとを)連れ戻して」(ho’iho’i mai ‘oe)といった具合に、楽し気な曲調からは想像もつかないシリアスな歌詞が並んでいることに驚かされますが、次のバース以降、さらにドキッとするような内容が連なっていきます。

 あなたはやって来たと思ったら、もう行ってしまうのね。
 (しかも)わけありの恋人と一緒に。
 そして私は、ひとり悶々とするのよ。
 あぁ、なんてこと……二人でともにしたベッドの思い出(しか残らないなんて)。

 Ua hiki no* ‘oe a e hele ana la*
 Me ka ipo manuahi
 A na’u no* ia ‘oni ho’okahi la*
 E*, e*, e*, kahi pela a’o ka*ua

 あぁ、あのひとは別のひと、しかもわけありの相手(ka ipo manuahi)と行ってしまった……。「私といったら(まったく)」(na’u no* ia)、「どうしろっていうの!?」と続けたくなるようなフレーズですが、二人でともにしたベッド(kahi pela a’o ka*ua)でひとり身もだえている(‘oni ho’okahi)のであれば、すさんだ気分になるのもいたしかたないかもしれません。それにしても、「やって来たと思ったら、もう行ってしまう」とは、なんて逃げ足の速いやつ(!?)って感じですが、そんな抜け目のないやつのどうしようもなさは、次のバースでさらにユーモラスに語られていきます

 あなた(が残したのは)うすぎたないハンカチだけ。
 (まったく)ゴキブリに食べられちまったって気分だわ。
 で、私といったら(そのボロ雑巾みたいなもので涙を)ふくわけよ。
 まったく、なんてこと……あなたの逃げ足の速さといったらないわ。

 Ko* hinaka* popopo la*
 ‘Ai ‘ia e ka ‘elelu*
 A na’u no* ia e* ka*wele nei la*
 E*, e*, e*, ko* ka*ma’a miomio

 まったく、あの逃げ足の速さといったら、まるでゴキブリみたいじゃないの……。ここでは、そのたちの悪い虫に食べられた(‘ai ‘ia e ka ‘elelu*)うらみ節が、ユーモラスに歌われているようです。そう、あいつは涙をふくハンカチさえろくなものを残していかなかった……

 この歌に込めた思いが伝わったかした。
 あなたはやって来たと思ったら、もうこんな仕方で行ってしまうのね。
 そして私は、ひとり悶々とするのよ。
 あぁ、なんてこと……二人でともにしたベッドの思い出(しか残らないなんて)。

 Ha’ina ‘ia mai ana ka puana la*
 Ku* ‘oe a hele pe*la*
 A na’u no* ia ‘oni ho’okahi la*
 E*, e*, e*, kahi pela a’o ka*ua

 ここでは蒸気船の名前であり、歌のタイトルにもなっている「Maunaloa」は、いまも活動を続けるハワイ島の火山の名前。そして、彼女が置いてきぼりにされたまち、Ka’awaloaは、ハワイ島西部Kona地域の海沿いにあり、その山側にそびえるのがMaunaloa山という位置関係にあります。18世紀末にキャプテンクックがやってきたKealakekua湾があるのもこのまちで、古い港町であることがうかがえますが、もしかすると、海をわたってやってくる男たちと彼らを迎えるハワイのひとびととの間で、数々のドラマが繰り広げられたまちだったりするのかも……なんてことをあれこれ想像させられる、『Maunaloa』なのでした。

by Helen Lindsey Parker

Mele O Ke Ke’ena Kalaunu






https://www.youtube.com/watch?v=P9qr7C9dPBw 


 美しく飾られて、陛下。
 あなたを包むのはかぐわしいバラのlei。
 あなたの涼しげな香りを私は感じている。
 王位をいただいて、あなたが本来占めるべきその場所に。

 Ua wehi lei, wehi 'oe e ku'u lani
 I na* pua lei, pua rose onaona
 Ko* 'ala anuhea ka'u i honi
 I ke keʻena kalaunu kou wahi ia

 自ずとひとめを引く華やかないでたちと、それでいて品よく清らかなたたずまい。そんな、香しくも美しいバラのleiに飾られたようなひとの存在感を、そのすずやかな香り(ko* 'ala anuhea)を楽しむように感じている(ka'u i honi)と歌われる『Mele O Ke Ke'ena Kalaunu』。ここでは、そのひとが占めるべきポジションが、「ke keʻena kalaunu」(王位)にほかならないことがさらっと歌われるだけで、そのひととなりについて具体的にふれられていませんが、ある確信を持った語り口調から,その特別な高貴さがゆるぎないものであることだけは、じんわりと伝わってきます。

 華やかに光を放つあなたのダイヤモンドのleiは
 深い森に輝く水のしずくのよう。
 たくさんの飾りが縁取るそのシルクの衣装も、
 Hamohamoの潮が引くさま(にも似た穏やかな表情をたたえている)。

 Kohu ko* lei kaimana linolino
 Me ke ke*hau lohi o ka ma'ukele
 Ko* hu'a kalika lau nihoniho
 Me ke kai emiemi a'o Hamohamo

 光を放つダイヤモンドのlei(lei kaimana linolin)で飾られたあなた。その輝きは、神々がやどるほど遠く、奥深い森に守られた水のしずくのよう……と、ここでもあるひとの高貴さは、無名のままながらことばを尽くして語られています。ただここでは、「Hamohamo」という、O'ahu島Waiki*ki*にある、'Oh*ua通り近くの地名が登場し、そこがかつてはLili'uokalaniの所有する土地だったことから、この歌が彼女を讃えるものであることがわかります*。「Hamohamo」には「やさしくなでる」という意味があり、たとえば穏やかな海岸で、ささやくような波がそっと砂浜をなでるような、そんなひそやかなイメージのあることば。繊細な手仕事がほどこされた女王のドレスが、「Hamohamoの潮が引くさまに似ている」(me ke kai emiemi a'o Hamohamo)とされるのは、シルクの質感をなめらかな水面の表情にたとえたものと思われます。

 あなたの(高貴な)赤い足跡は、
 濃いブルーに刺繍されたペルシャ絨毯に印される。
 外からの声援に驚いて振り返るあなた。
 Lili'uokalaniさま、(その御世が)ずっと続きますように(とみな願っています)。

 Kou hehi kamaʻehu i ke ka*peka
 Peresia 'o*ni'oni'o uliuli
 Huli pu*'iwa i ke oho o waho
 E Lili'uokalani, e ola mau

 外からの声援に(i ke oho o waho)、なにごとかと驚いて振り向く女王(huli pu*'iwa)。前半のバースでは、女王の高貴な空気感というか特別な気配がたどられていましたが、ここでは、女王の姿がよりリアルに、しかも民衆の声に応えるようとする、Lili'uokalaniそのひとの、行為そのものが感じられる描写が連なっています。とくに、ペルシャ絨毯に印される「kou hehi kamaʻehu」(あなたの赤い足跡)という表現には、彼女の一挙手一投足から目が離せない、あるいは、その歩みにHawai'iの未来を託すひとの、見果てぬ夢の半端なさが感じられるように思われます。

 守るべき王族の旗印が誇らしくはためく。
 イオラニ宮殿にそびえるポールの高みに。
 あなたをたたえるべくその高貴なお姿を思い浮かべよう。
 Lili'uokalaniさま、あなたこそわれわれの女王なのです。

 われらが女王、Lili'uokalaniさまに、この歌を捧げます。

 Ku'u hae kalaunu welo ha'aheo
 I ka ni'o kaupoku o 'Iolani Hale
 Ha'ina ko* wehi e ku'u lani
 ‘O Lili'u, ke kuini o ka la*hui

 He lei wehi no Lili’uokalani,
 ke kuini o ka la*hui

 ハワイ王朝が誇った権威のシンボルである'Iolani宮殿。そこに、かつて天高くはためいた王族の旗印を見上げる思いで、在りし日のLili'uokalani女王の姿に思いをはせる『Mele O Ke Ke’ena Kalaunu』。それにしても、ハワイのネイティブのひとびとが民族としての主権を失って久しい状況にあってもなおこの作品が存在し、そのひとを象徴として「永遠なれ」(e ola mau)と願い歌われているものはなんなのか。楽曲のおだやかな印象とはうらはらに、単なるノスタルジーにとどまらない思いが込められている予感がするmeleでした。

by Randie Kamuela Fong

*:'Oh*ua(文字通りの意味は「家来」)は、かつてLili'uokalani女王にお仕えするひとびとが暮らしていた場所とされる。

「だれかいい子いないかなぁ?」みたいな軽いノリの会話をハワイ語でたどってみた『ハワイ語のはなし』です。

https://archives.mag2.com/0001252276/20181003190000000.html