Kauanoeanuhea





 (この思いを)あなたに届けたい。
 そう、Kauanoeanuhea(と呼びたいあのひと)に。
 (それで)うっとりする香りを探そうとするのだけれど、
 あなたを手に入れることはできない(のはなぜなのか)……。

 あなたはたぶん高いところにいて、
 Maunaleo(の山)に守られているのかも。
 (まるで)その丘を美しく飾るように、
 そう、Ka*nehoaの小高いあの場所に……。

 大切に思う誰かへの思いが、切ない歌詞とメロディにのせて歌われる『Kauanoeanuhea』。「Kauanoeanuhea」(ka-uanoe-anuhea)は、「ka uanoe」(霧雨)と「anuhea」(涼しげで甘い香り)が合わさったもので、さわやかな山の空気や森の香りを感じさせることばです。やわらかくからだを湿らせるミストに包まれたときに、ふと思い起こされたいとしいひとの気配。もしやそこにあのひとが!?と思ってふり返ってみたけれど、ただむなしく空をつかむだけ……。ときを隔ててもありありとよみがえってくる、そんなそのひととの大切な思い出なんかもありそうですが、だとすると、行き場のないこころだけが空回りするときの寂しさといったらないに違いありません。それでも、りっぱにそびえる山々を見上げ、その美しさに愛するひとの面影をたどってみる……。そんな気分にさせられる神々しさが、ハワイの風景にはあるのかもしれません*。

 Ma*lieのおだやかな風が、
 私の愛するひとを運んでくる。
 (そして)愛は永遠にはぐくまれるのです。

 いまここにあらわそうと思う。
 そう、Kauanoeanuheaに捧げるこの思いを。
 (まるで)その丘を美しく飾るように、
 Ka*nehoaの小高いあの場所(にいるあなたに)……。

 姿はみえなくても、あのひとの魂は風の気配とともにきっと届けられる……そんな、大切なひととの絆をなかば祈る気持ちでたぐりよせているような感じがあって、おだやかなメロディラインからは想像できないほど、こころのなかでは宇宙をかけめぐるほどのエネルギーが渦巻いているのではないか……なんてことを感じさせる迫力が、この歌にはあるように思ったりします。そうして、ひとしれず情熱の炎を燃やし、孤独に耐え、じっと待ち続けることではじめて手にすることができる、そんな関係もあったりするのかもしれない……なんてことを考えるにいたった、『Kauanoeanuhea』なのでした。

by Keali'i Reichel

*:Maunaleoは、ひょうたんに近いものを思わせるMaui島の、ちょうどくぼみにあたる地域にある山の名前。Maui島の南西部を海岸沿いに走るハイウェイを、山側に北上したあたりの高台にあります。
なお、同じ作者による楽曲、『Maunaleo』についてはこちら。
http://hiroesogo.blog.fc2.com/blog-entry-212.html

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